「芸術の秋」といいますが、アートツーリズムという言葉をよく聞くようになりました。都会の美術館へ行くばかりではなく、旅先でその土地ならではの美術館を訪ねたり、地方の自然の中で開催されるアートイベントに参加したりすることを指します。
最近TVでもよく伝えられる瀬戸内の島、直島は島に散在する美術館や野外アートなどを目的に海外からの観光客も急増しているようです。私もかつて直島に何度か出かけて、安藤忠雄設計の美術館・ホテルや草間彌生の大きなカボチャのオブジェなどを巡りました。香川県なので、さすがにうどんもおいしいです。
また、新潟の里山を舞台に点在する美術作品を訪ね歩く越後妻有アートトリエンナーレも回を重ねて、根強い人気を集めています。過疎地域に多い廃屋や廃校になった校舎を美術展示の空間にしてしまう試みなど、都会の美術館ではできない体験の場となっています。エリア内には温泉もあり、ゆったり泊りがけで楽しみたいイベントです。
旅の形も時代によりさまざまに移ろっていますが、名所旧跡を巡る団体旅行の時代は去り、地方のグルメであったり、アートであったり、あるいは音楽フェスであったり、思い思いのテーマで楽しむ旅が求められているのでしょう。
私は旅先の地方都市を徘徊し、小さな居酒屋で飲んだり、古くからのジャズ喫茶で音楽を楽しんだりするのも好きですが。(さかもと)